銀河英雄伝説:撃墜王編

初日と4日目に見に行きました。この感想を書くにいたって私のスペックが多分読む人の視点を左右するのだろうな、と思うので、ざっくり書くと起用されたジャニタレの直接のファンではないが、タレントの所属するグループのメンバーのファンで、二次も通っていたので銀英伝も読んだことはある。銀英はアニメが先で創竜伝アルスラーン→銀英伝の順で読んだ気がする、ただしかなり前なので忘れかかってる。原作のファン、とまではいかないけど、原作の受ける要素などは理解できるし、設定的にはラブストーリーとかよりも何倍も好きである。だいたいの主要キャラにイメージ等はあるし、名前も知ってる、という感じで、タレントにも本腰ではないし原作にもそこまでではない、でも両方知った要素が混ざったものがジャニ外部の舞台で表現される、ということに興味があった、という…半端な…w 
舞台はストレートプレイといれわれる舞台が実はかなり苦手なので、どういう状態の舞台になるかわからなかったけれど、上記の興味のある要素が沢山あったことが足を運ぶ気力になりました。

シリーズの他の配役とかみてもそもそも舞台よりの仕事メインの人が、大型コンテンツとして取り込んでやってる感じで、一大市場になったテニミュみたいな体ではないのだけど、でも新規客をつけないといけない、そこでジャニタレ起用で畑違いから搾取、というところでしょうか。同じ界隈でやってても尽きてくるけど畑の違う場所の新規で、しかもジャニ市場であれは数だけはゾロゾロくるでしょうからね。でも実際この予習のために小説かったとかDVD見たとかそういう人結構いたわけで、続く客になるかどうかはともかく、一時的には興味をもって金を落とした人は出ているんで、下手でもネームバリュー…

さてその問題の下手さですけど、外部舞台にジャニタレが起用されたわけですが、別に舞台に起用されたからといって舞台向きのメンバーかというとそうでもなく、むしろ大根だらけのジャニーズ舞台でも大した役を与えられなかったメンバー。なので演技の面では大層、とくにキルヒ役の横尾が大層足をひっぱっていて、そもそもネタになるくらい滑舌が悪いんですよ!なんで起用した!w

なんで起用したんだ!っていうのはキャスト発表の時から思っていましたが、ファンなら誰もが知るほどの滑舌なわけでこれはなんのチャンスなのだ?荒療治なのか?とかちょっとそういう期待もありましたが、実際は別にそういうわけでもなく、滑舌はどうにもならないにしても立ち姿の悪さとかは筋トレすればどうにでもなったはず。この2人はグループの中だとどういうポジションなんだと聞かれると、今リリースで歌番組に出てるので見る気がおきたら見てもらったらいいですけど、後列です。そう人気はそこまでない。グループにいれば、良く言えば外野を守ってます。

ここから少しキスマイヲタ視点の話。そう、グループにいれば外野という守るところがあるわけですけど、グループから離れてしまうと1タレントとしての能力が問われてくる。そこでいうとニカは単純バカなりに演技にはなってないけど(二階堂というのはああいう元々バカ元気です)バカなので遠慮なしの貪欲さがあります。多分この舞台のほかの役者をみたらそんなの出来っこないっていうようなことがあっても、予防線張らずにやるだけやってみる!っていうことをしているような気はします。バカなので怖いもの知らずというのもあるけどw
キスマイクリエでも思ったことですが、横尾さんはそこをグループ内の外野守ってるスタンスで個になってもそこからはみ出そうとしないことが、クールなスタンスといえば聞こえはいいけど、悪くいえばただの消極的。特にこうバカ熱いやつとの組み合わせになるとより引き立つ。

二階堂は雑にしがちなところはあるが地味に結果があると思う。それに控え配役もミスだと思うけど、原作の人気キャラをあの状態にされたらいくらなんでも擁護できない状況では、ジャニヲタは他の役者なり原作なりに興味をもってくれたかもしれないけど、その逆にキスマイに興味をもってもらえる結果にはなりにくかっただろう。括りにしていわれるだろうけど「ジャニーズ」の印象が悪くなったろうな、と思う。タレントだけじゃなくやり方含みね。

実際脚本も余分にさかれてるところが気になるし、カテコの並びもアレだし、でジャニヲタにご配慮いただけてるのかもしれないけど、いい気しないですね。原作もないがしろだしほとんどひっぱってくれてるほかの役者までないがしろか、っていう。ただでさえ台無しにしてる演技があるのに、申し訳ないばっかりで気分悪いですねああもされると。

ジャニヲタ話ここまで^^

舞台そのものは雑う!っていうか2幕があっけなさすぎて、帝国とか出る必要性があったのか???っていうことと映像で処理してもいいんだけど、あれ結構引きじゃないと全然映像わからないぞ…?っていう。戦闘シーンは見せ場!ってほどでもないのかもしれない、って思うわりには時間あるしなあ。総じてテンポが悪い。映像もコクピットも3階から見たほうがソレっぽく見えた。1階だとちょっと見えすぎて。

良かったなあ、は舞台そのものよりも舞台を通して新鮮に見えたものが面白かったことが多かったので、この舞台に会えたことは凄く収穫。ちゃんとした役者を見ると背筋が伸びるわ、ではないけど、所詮ジャニ舞台ったらこうじゃないよなあ、っていうこととジャニ舞台って言い回しがわりとスローですね?ってことかな。まああと改めてジャニ舞台の「考えるな!感じろ!」のトンチキ慣れしすぎてて、死んで宙舞うとか至って普通だろ、なんなら花がパスッと上から降ってきてもいいwとかに慣れているので、通常で感じる変な演出を変だと思わなかったぜ…危ない…w

あと舞台は生き物だなーっていうのはジャニ舞台も外部舞台もそうだけど、少しでも日が違うと少し違ったものに見えるあの差分が、やっぱり好きですね。ジャニ舞台も外部舞台の差分も見れるのは面白いですし。

キャラとしてはキルヒアイスのダメ振りが超えられない壁すぎるのはともかく、あとはラインハルト様も初日に比べればやはり落ち着いたので堂々としてよくなってた。ムライのちょっとフランクなところが初日「ちげーよ!」ってカチーンとなったんですが、6日にみたときはそこはなくなってた。後は原作からするとロボスくらいしかガッツリ印象もってるキャラが自分にはなかったので、フワっと。
ナオミの誕生日だから!で締めになるのはどうなんだおい、だったんですけど、初めに無事に帰ってこれたら、の賭けで出てる雪を降らせるなので、結局死人を出したのだからあの賭けは負けであってそれを実行しただけ、っていう体でよかった気するんだよね…誕生日っていうきっかけにするにはそんなに気軽なミスやってないだろうあの人…むしろ自害して、のちにポプランがその賭けだけを昇華させるほうがかっこよくね…?2幕に関しては初日に「?!?!」ってなってしまってエエエッそこで終わってしまうのかい?!ってマスオさんなってしまった。ナオミの背景が浅いのに重要ポジになってもなあ、階級もむちゃくちゃだったので、1幕と2幕の間になんか時間が経過したのかと思ったし。

大収穫は中川さんの歌でしょうね。これがあるからどうにか締まる、といえるので。

大分ハードルを下げてた分、思ったよりはよかったし、新鮮に楽しめたことは多かったので、個人的にはこの舞台の機会を私に与えてくれた全ての境遇に感謝ですけど、横尾さんに関しては本当にどうしようもねえなあ…というなんともいえない感想です。